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2016.12.14 Wednesday

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    「大学職員」と夜間部学生、二足のわらじ…東洋大

    2015.02.07 Saturday

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      「大学職員」と夜間部学生、二足のわらじ…東洋大 

      給料と奨学金支給…自活支援する推薦入試

       

      • 入試課で働く杤谷さん(右端)ら(昨年12月中旬、東京都文京区の東洋大で)=前田尚紀撮影
      •   「はい、入試課です」

          昨年12月中旬、東洋大学(東京都文京区)の入試課で、経営学部経営学科イブニングコース(夜間部)1年の杤谷(とちや)美佐子さん(18)が受験生からの電話を受けた。

          この時期は、出願方法などについての問い合わせが1日10本以上寄せられる。

          「学生でも、大学を代表して答える責任がある。間違えないように入試要項を熟読している」と、杤谷さん。同大が2014年度からスタートさせた「『独立自活』支援推薦入試」の1期生だ。

          平日の昼間、同大の事務局で勤務することで年約180万円の給料が支給され、卒業までの4年間、毎年26万5000円の奨学金も提供される。同大の試算では、イブニングコースの授業料など年約54万円のほか、交通費や学生寮入居費などを負担しても、年約75万円が手元に残る。卒業後、同大に就職する必要はない。

          加藤建二入試部長(50)は同入試の目的について、「学ぶ機会に恵まれない人に、その機会を提供する」と説明する。イブニングコースは6学部9学科にあり、計3250人が学ぶ。同入試の募集定員は各学科1人ずつ。高校の成績と小論文、面接で選考され、学業と仕事を両立する意欲を問われる。1期生は、17人の志願者から7人が合格した。

         

        「働きながら学ぶ」学生、不況で目立つ

         

          夜間部は、高度経済成長期には働きながら学ぶ社会人学生が中心だったが、大学進学率の上昇に伴い、昼間部の入試不合格者の受け皿にもなった。文部科学省の学校基本調査によると、全国の国公私立大夜間部の学生は1995年度で12万5091人。その後、少子化で夜間部の廃止が相次ぎ、2014年度は2万2619人に減った。

          東洋大では、1951年に国文学や経済学などが学べる夜間部を設置した。他の分野にも広げ、2010年には昼間部の国際地域学部に、夜間に授業を行う「地域総合専攻」を開講。名称をイブニングコースで統一した。

          同コースに14年度入学(編・転入含む)した878人のうち、少なくとも119人が仕事を持っていた。看護師、公務員など職種は様々だ。加藤部長は「長引いた不況の影響で、働きながら学ぶ学生が目立つようになった」と言う。

         

        母親に負担をかけずに進学したい

         

          杤谷さんは母子家庭で、2歳上の姉も専門学校に通う。母親に学費の負担をかけずに大学に進学する方法をインターネットで探し、同入試を知った。「もし、この入試がなかったら、大学進学はあきらめていた」と振り返る。

          午後5時過ぎ、仕事を終えた杤谷さんは、同じ職場で働く1期生と連れ立って大学図書館へ向かった。授業が始まるまでの約1時間、リポート作成や宿題に取り組む。授業が終わるのは同9時20分。帰宅し、夕食など身の回りのことを済ませた頃には、日付が変わる。翌朝9時からは仕事だ。

          忙しい毎日だが、「大変だと感じる以上に、恵まれていると思う。もったいなくて、授業を休むなんて考えられない」と話す。

          15年度は、同入試に27人が志願し、8人が合格。ますます、「狭き門」になった。同大は将来、定員を拡大しようと、学外でも働けるように都内の企業と相談中だ。(伊藤史彦)

        東洋大学 哲学者の井上円了(1858〜1919年)が1887年に設立した「哲学館」が前身。東京都文京区や埼玉県川越市などのキャンパスに11学部44学科があり、学生数は約2万9000人。