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    究極のエコ 光る街路樹 2種のたんぱく質融合 大阪大

    2015.03.26 Thursday

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       究極のエコ 光る街路樹 2種のたんぱく質融合 大阪大

       

       

        ホタルなどの発光生物が持つたんぱく質の力を利用し、街路樹を光らせて夜の街を照らそうというユニークな研究を大阪大産業科学研究所の永井健治教授(生体分子機能科学)らが進めている。電気を使わず、省エネにつながる究極のエコ照明。海外で実証実験を行い、5年以内の実用化を目指すという。(米井吾一)

        ◇下村教授も関係

      • 「ナノ・ランタン」の遺伝子を導入し、青色に光ったゼニゴケ
      •   永井教授によると、発光生物のたんぱく質で街路樹を光らせる発想は2008年頃から温めてきたという。

          光るたんぱく質では、下村脩・米ボストン大名誉教授がオワンクラゲから発見し、08年にノーベル化学賞を受賞した緑色蛍光たんぱく質(GFP)が有名だ。現在は様々な色の蛍光たんぱく質が生まれ、生命科学などの分野で生きた細胞を観察するバイオイメージングなどで広く活用されている。

          だが、「蛍光たんぱく質」は、自らは発光できない。紫外線を当ててエネルギーを高い状態にする必要がある。そこで永井教授が注目したのが、ホタルが持つルシフェラーゼなどの「発光たんぱく質」だ。

          発光たんぱく質は、紫外線なしで体内にある特定の発光物質を酸化させることでエネルギーを作り、光を放つ。ただ、明るさでは、蛍光たんぱく質にはるかに及ばない。

        •   発光たんぱく質と蛍光たんぱく質の長所を組み合わせることができないか。

            永井教授は、二つの光るたんぱく質がごく近い場所にあると、一方で生まれたエネルギーがもう一方へと移る「FRET※」という現象に着目した。

            ◇ナノ・ランタン

            12年には、サンゴなど刺胞動物の一種「ウミシイタケ」から取った発光たんぱく質と、独自に開発した明るく光る蛍光たんぱく質を融合し、自らFRETを起こせるたんぱく質を作った。ナノスケールの光源という意味で「ナノ・ランタン」と名付けた。

            昨年、改良したナノ・ランタンを作る遺伝子をゼニゴケに導入し、発光物質の溶液をかけて反応を起こした結果、0・29ルクスの光を放った。ウミシイタケの発光たんぱく質だけと比べて100倍明るく、暗闇で本が読める満月ほどの明るさだという。

            発光、蛍光のたんぱく質両方の遺伝子を改変すればさらに明るい光や、様々な色の光を出すことが可能だ。発光物質を作る遺伝子も一緒に導入できれば、いつまでも光を放つことができる。

            永井教授は「震災などの停電が起きた場合の補助灯としての活用や、太陽光発電と組み合わせた活用など街灯のバックアップとしての活用から始めたい」と話す。

            ◇米でタバコの葉成功

            光る街路樹の研究は、米国ミズーリ州に本社を置くベンチャー企業「BIOGLOW」も進めている。

            設立者のアレクサンダー博士らは10年、バクテリアから取った発光たんぱく質の遺伝子でタバコの葉を光らせることに成功したと発表。その種子や鉢植えを販売して、研究資金を集めている。

            同社では、タバコに発光物質の遺伝子を入れることにも成功している。ただ、その明るさは、永井教授らが開発したゼニゴケなどに比べるとかなり暗く、肉眼ではほとんど分からないほどだという。

            ※FRET フェルスター蛍光共鳴エネルギー移動。近い場所にある二つの光るたんぱく質の分子間でエネルギーの移動が起きる現象。光を出すたんぱく質の分子の中では電子が一定数で振動しており、その振動数が同じくらいの分子が近くにある時に起きる。

            この現象はオワンクラゲの体内でも起きている。オワンクラゲは、細胞内のカルシウムイオンと結合すると青く光る発光たんぱく質を持つ。この青く光るエネルギーがFRETで、GFPに移動した結果、緑色の光が出る。